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バジリスク~甲賀忍法帖~


「二人手をたずさえて、両家を縛る宿怨の鎖を断ち切ろう」
四百年の永きにわたる甲賀と伊賀の宿怨を断ち切り、共に生きることを誓い合う甲賀の弦之介と伊賀の朧。しかし、愛し合う二人は、殺し合う運命にあった……。

(c) 山田風太郎・せがわまさき・講談社/GONZO
  • basilisk-m
各話内容・対戦組み合わせ

#1 相思相殺(そうしそうさつ)
慶長十九年・春。徳川家康は悩んでいた。徳川家三代目の跡継ぎとするのは暗愚の兄・竹千代か、聡明な弟・国千代か? 混乱を極める世継ぎ問題に決着をつけるべく、甲賀と伊賀に精鋭十人対十人の忍法殺戮合戦の結果、生き残ったほうにそれを賭けるという厳命が下された!!


#2 胎動弐場(たいどうにば)
「不戦の約定」が解かれ、弾正とお幻が相打ちとなった頃、甲賀と伊賀の国境で落ち合う若き男女がいた。弾正の孫・甲賀弦之介と、お幻の孫・朧。愛し合う二人は、「長き宿怨を断ち切り、両家に和睦を。」と誓い合う。しかし忍法闘争の命が記された人別帖が、伊賀組十人衆の手に渡り、開戦が知られるところとなる…。


#3 凶蟲無惨(きょうちゅうむざん)
伊賀鍔隠れの里に向かう弦之介。幸福な未来を夢見て、幸せをかみしめる朧。だがその裏では、伊賀十人衆が甲賀殲滅のために動き出していた。星占いによって異変を予知し、駿府へ向かっていた甲賀組十人衆のひとり地虫十兵衛と、巻物を携えて駿府から戻る風待将監を相手に凄惨な忍法闘争が始まる。


#4 妖郭夜行(ようかくやこう)
地虫十兵衛と風待将監が討たれ、甲賀組に渡るはずの巻物は燃やされた。その晩、伊賀・お幻屋敷では宴が催されていた。殺意渦巻く周囲の空気に気づき、場を和ませるため、弦之介と朧は祝言の日のために密かに練習していた『和睦の舞』を披露するが…。夜が更けると、雨夜陣五郎は弦之介を、朱絹は丈助を討つべく動き出す…。


#5 忍者六儀(しのびのりくぎ)
丈助の姿が見えないことを不審に思いながらも、朧を不安にさせまいと振る舞う弦之介。甲賀卍谷では留守を預かる室賀豹馬、如月左衛門、霞刑部、陽炎たちが戻らない仲間の身を案じ集まっていた。そこへ天膳率いる伊賀十人衆が卍谷に奇襲をかけようと迫っていた。だがそれに気づいた豹馬の指揮のもと、甲賀忍者が迎えうつ。


#6 降涙恋慕(こうるいれんぼ)
弦之介の無事を確かめるべく左衛門、刑部の二人が伊賀へ向かうことになり、その途中、弾正に奪われた巻物を探して遅れをとった夜叉丸と遭遇する。天膳の声色を使って罠にかけようとする左衛門は、夜叉丸から「不戦の約定」が解かれたという驚くべき事実を聞く!!


#7 人肌地獄(ひとはだじごく)
甲賀十人衆の秘密を聞き出すべく、お胡夷への恐ろしい尋問が始まった。だが、彼女の吸血能力により逆に蝋斉は倒される。そこへ陣五郎がやって来て、お胡夷の豊満な肉体に欲情する…。その頃、夜叉丸に変化した左衛門は伊賀屋敷へ潜り込み、蛍火から弦之介の無事とお胡夷の居所を聞き出し、塩倉へと向かうが…。


#8 血煙無情(ちけむりむじょう)
「不戦の約定」が解かれたことを告げられ、驚愕する朧。その頃塩倉では、お胡夷が陣五郎に術をかけていたが、塩に溶けて逃げられてしまう。その能力に驚きつつも脱出を試みるが、そこに突然、念鬼が現れた。罠をかける間のなかったお胡夷はやむなく小刀で斬りつけるが…。妹の身を案じた左衛門が駆けつけたとき…。


#9 哀絶霖雨(あいぜつりんう)
「不戦の約定」が解かれ、祖父・弾正、十兵衛、将監、丈助、お胡夷が討たれていたことを知る弦之介。そんな彼らを取り囲む伊賀忍者たち。だが底知れぬ弦之介の迫力に天膳は攻撃の指示をためらう。だが、しびれを切らした念鬼の命によって下忍たちが突撃した。ついに発動する弦之介の恐るべき必殺術!!


#10 神祖御諚(しんそごじょう)
弦之介は伊賀を去り、悲しみにくれる朧。天膳たちはお幻亡きいま我らを率いて闘うは朧の役目と恫喝し、迷った朧はかつてお幻に渡された「闇七夜の秘薬」で両目を塞いでしまう。そして駿府城。徳川家康、柳生宗矩、服部半蔵を前に、半蔵の息子・響八郎がこれまでの闘いを報告する。


#11 石礫無告(せきれきむこく)
朧は自ら破幻の瞳を塞いでしまった。小四郎も命はとりとめたものの目をつぶされ、これからの闘いを懸念する天膳たち。そこへ甲賀へ戻った弦之介から人別帖が届けられる。「果たし状」とともに…。それを追って、盲目となった朧を引き連れて伊賀十人衆一同も旅に出る。


#12 追想幻燈(ついそうげんとう)
陽炎の毒に動揺した隙をつかれて蛍火と念鬼の奇襲を受けた弦之介。「闇七夜の秘薬」により、朧と同じく両目を塞がれてしまう。瞳術の師匠でもある豹馬によって念鬼を返り討ちにし、左衛門は逃げる蛍火に傷を負わせる。その頃、弦之介の術によって目をつぶされた小四郎は、そのときの恐怖に囚われ、闇の中でおびえていた。


#13 胡蝶乱舞(こちょうらんぶ)
傷ついた足で立ち往生する蛍火。そこへやってきた念鬼が、なんと弦之介たちを討ちとったと語る。しかし夜叉丸の仇である左衛門はとり逃した、という言葉に蛍火は激昂し、念鬼を激しく責める。――が、念鬼の正体は、その左衛門自身だった! 不意をつかれた上に負傷した体で、必死に戦う蛍火であったが…。


#14 散花海峡(さんげかいきょう)
甲賀、伊賀ともに残りは5人ずつ。天膳は今だに闘う意志を見せない朧を我がものしようと手篭めにしようとする。朧の悲鳴に引き裂かれる思いの小四郎。だが突然、天膳は何者かに背後から首を締め上げられ、絶命する。異変に気づいた陣五郎と朱絹が駆けつけるが、そこには天膳の死体と、呆然とする朧と小四郎の姿のみ。


#15 波涛獄門(はとうごくもん)
殺したはずの天膳が現れ、驚愕する刑部。船上で闘いが始まり乗り合わせた者たちまで巻き込まれてしまう。冷静さを失った刑部の脳裏に浮かぶのは、幼い頃に味わった地獄の苦しみであった。しかし「そんなものは本当の地獄ではない」と天膳はせせら笑う。


#16 懐抱淡画(かいほうたんが)
刑部は天膳に討たれた。陣五郎、刑部の名が人別帖から消され、残るは四対四。駿府を目指し命を削る非情の旅は続く…。そして時は半年前に遡る。平和だった日々を穏やかに過ごす甲賀卍谷の面々。そして朧との見合いのため、弦之介と弾正が伊賀鍔隠れの里へやって来る。


#17 昏冥流亡(こんめいるぼう)
駒場近傍の原野をゆく弦之介一行。なぜか目の開いている弦之介と、陽炎、そして頭巾を被った男が二人。その頭上を巻物を抱えた鷹が飛び去り、弦之介と陽炎はそれを追う。残る頭巾の男たちの前に、待ち伏せた天膳が立ちはだかるが…。


#18 無明払暁(むみょうふつぎょう)
弦之介たちの前に立ち塞がる小四郎。豹馬は陽炎に弦之介を連れて逃げるよう命じる。対峙する二人の盲目の忍者。豹馬は瞳術を仕掛けるも、逆に隙をつかれて「吸息旋風かまいたち」が彼を襲う。その瞬間、豹馬の頭をよぎるのは、まだ幼い弦之介と出会った頃の記憶であった。


#19 猛女姦謀(もうじょかんぼう)
小四郎によって豹馬は倒されたが、立ち往生をしたことから小四郎にはそれがわからず、消えた敵の気配を探して混乱する。そこへ小四郎を呼ぶ朱絹の声が…。聞けば朧は左衛門の手にかかり殺されたという。怒りと哀しみに震え嘆く小四郎に、朱絹の声は「一緒に死のう」と囁く。そして柔らかな女の感触が小四郎を包むのだった。


#20 仁慈流々(じんじりゅうりゅう)
小四郎の遺体を見つけ、嘆き悲しむ朧と朱絹。天膳の行方もわからず途方にくれていたところ、偶然、阿福一行と出会う。二人が竹千代方の伊賀忍者と知った阿福は、自分たちに同行せよと命じる。その様子をひそかに窺う左衛門と陽炎。左衛門は天膳に化けてその一行に合流し、朱絹をおびき出すことに成功するが…。


#21 魅殺陽炎(みさつのかげろう)
朱絹を討ち取った左衛門。しかしそこへ阿福の家来衆がやって来て、不死の忍者である天膳に刺される。そのことを知らない陽炎は、計画どおりに天膳たちの旅籠を訪れるが、彼女の美しさに欲望をかきたてられた天膳によって犯されてしまう。そのことで、この男が本物の天膳だと気づいた陽炎は、必ず討つと決意する…。